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【神開<No.77>純米】

中学・高校は関西の名門・東大寺学園、そして京都大学法学部に現役合格…とくれば末は法曹か超一流企業への就職、というのがごく当たり前の人生設計。
実際、彼のご両親や周囲の人はもちろん、本人も2回生まではそのつもりで勉学に励んでいたらしいですが、3回生の夏に「青春の傷」を心に負い、某大手企業のインターンシップで世の無常を悟った時点でドロップアウト!
そして、たまたま飲んだ日本酒の味に感激したことがきっかけでこの業界へ見事にオフ・コースしたというツワモノ!(笑)
在学中に中国・四国、及び丹後地方の酒蔵を2年間かけて訪問し、結果として2留の末に今春ようやく卒業し、「神開」で知られる滋賀県・藤本酒造へ見習い杜氏(と言うより丁稚どん)として就職したという次第。
「ゆとり世代」にもこんな粋な男がいるから世の中まだまだ捨てたもんではありませんね。
 
酒造りの期間は蔵元杜氏の藤本信行氏に教えを乞い、皆造してからは営業マンとして大番頭の清水龍圭氏とともにデパートの酒売り場での試飲販売や、「神開」の取扱酒販店への挨拶回りとフル回転。
そんな「丁稚どん」こと畑田宏史クンのデビュー作がこの「神開<No.77>純米」(火入れ)です。
 
従来の日本酒のイメージとは異なる甘過ぎない多酸系の味を目指して77号酵母を使用、リンゴを想わす爽やかで清々しい香り、ほのかな甘味は感じるものの甘過ぎず、清冽なキレがあるのに辛くなく、飲み飽きしないどころか何杯でも飲みたくなるような、正にこの季節に相応しい日本酒に仕上がりました。
蛇管火入れを行いましたが、「生酒じゃないの?」と疑ってしまうほどのフレッシュ感のあるこの「神開<No.77>純米」、冷蔵庫でよ~く冷やして、ぜひワイングラスでファッショナブルにお召し上がり下さい。
 
それにしてもデビュー作でこれほどの作品を作ってしまうとは末恐ろしい限り!
畑田クン、キミはもしかしたら将来…。
 
◇神開<No.77>純米
1.8L 2,600円(税別)
720ml 1,300円(税別) 

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by hirakata-kandaya | 2018-06-13 20:48 | 日本酒