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利き酒

『「風の森」を味わう会』の投稿以降、すっかり更新しておりませんでしたが、何も私が燃え尽きてしまったわけではないので念の為…。

その会の席上、油長酒造の山本社長がご挨拶の中で、「神田屋さんのご主人は特に利き酒に長けた方で…」というありがたいお言葉を頂戴しましたが、これは半分以上は"おべんちゃら"(社交辞令)だと思って下さい。(笑)

ただ手前味噌ながら、お酒に関する私の感応評価というのは、これまでの経験では一般の消費者の方の大多数の方と同質のものだと思っております。

つまり、私が「美味しい!」と感じたお酒は、8割以上のお客様が同様に「うん、確かに美味しい♪」と感じて下さっているようですので、どうか信用してやって下さいまし。(笑)


ところで、、、お酒のカテゴリーに関係なくメーカーや酒販店主催の試飲会が全国各地で開催されていますが、今日は僭越ながら利き酒について私なりに思うことを少々…。


利き酒で重要なポイントは、我々酒販店と消費者の皆様とで少々違いがあります。
国税庁が主催している「鑑評会」という行事がありますが、これは文字通り『鑑定し、評価する会』のことです。
"鑑定"とは、端的に言えば「粗(アラ)探し」、つまり欠点を探り当てる作業です。
そして"評価"とは、逆に長所を褒めてあげることです。

我々酒販店や料飲店さんはお酒を販売するのが仕事ですから、どちらかといえば"鑑定"に重点を置きますが、消費者の皆さんには"評価"することを重要視して頂きたいものです。

どんなお酒でも『完璧!』というのはまずありえません。
仮に唸るような素晴らしい出来栄えのお酒でも、皆がこぞって褒めちぎればそのお酒はそこで進化がストップします。
逆に、子育てと同じで『褒めて伸びるタイプ』のメーカーさんもありますので、この役割は消費者の皆さんにお願い致します。

それによって日本中の酒蔵のレベルが向上し、ひいては世界の酒市場において日本のお酒が確固たる地位を確立できるものと考えます。



さてさて、ここで苦言を一つ。

試飲会での利き酒の時に「ジュルジュルジュル」と音を立ててテイスティングされる方がいらっしゃいます。
あれは、お酒を口に含んだ後に口から吸い込んだ息を鼻から抜き、その際に鼻の粘膜が感じるお酒の香りを確かめる作業で、実際にグラスに注がれたお酒の香りを嗅いだだけでは分からない香りも、この作業によって分かることもあります。

ただ、試飲会の場ならイイとしても、料飲店さんでの飲食中にも「ジュルジュル」される方がおられまして、あれは傍で見ていて(聞いていて)あまり気持ちの良いものではありませんので、できれば控えて頂きたいものです。
そもそも、お酒の醍醐味は何よりもまず飲み下すこと、これに尽きます。

「クイッ」→「モグモグ」→「ゴクッ」…、「嗚呼!美味い!!」
これでイイんですよ!
by hirakata-kandaya | 2011-06-22 21:13 | 日本酒